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日本の伝統的労資関係
村串 仁三郎 著
世界書院 1989年8月
444ページ 本体価格\6,800円
日本の鉱山業においては、友子(ともこ)と呼ばれた鉱夫の仲間組織が古くから存在し、第
二次大戦中に消滅したが、ごく一部は終戦後まで残っていた。この友子は、わが国の歴史学や労働問題の歴史のなかであまり問題にされず、従って一般にあまり
知られていない。
われわれは、日本の鉱山におけるこの友子のような特異な仲間組織を、他の産業でみることが出来ない。友子は、これまで一般に鉱夫の自治的な共
済組合である、とみなされてきた。しかし本書が明らかにしているように、友子は、共済組合ではなかった。友子は、大工や石工などの職人たちの仲間組織・同
職組合であり、徳川時代に形成されて、ついこの前の戦争中まで存続していた鉱夫の"クラフト・ギルド"的な同職組合だったのである。
友子が職人の仲間組織であったということが特異なのではない。友子が日本の歴史において特異な存在だというのは、徳川時代の古い鉱山に形成さ
れた仲間組織が、明治維新の大変革を経て、近代化されてくる鉱山業において、前近代的なものとして排撃され、消滅させられたりすることなく、むしろ鉱山業
の近代化の過程で、鉱山業の発達とともに著しい発達をみせ、しかも大正期、昭和初年代の鉱山業の一層の近代化の過程においても残存していた、ということに
ある。
これまで日本の歴史は、あるいは鉱山における労務管理史、労資関係史、一般的にいえば労働史に係わる種々な学問は、二三の研究を例外にすれ
ば、この友子について全く研究することがなかったのである。不思議なことである。
しかし、本書が明らかにしているように友子は、日本の鉱山業における雇用関係、労務管理、労資関係、要するに鉱山経営においてきわめて重要な
位置を占めていたのである。私は、この古来からの鉱夫の同職組合を前提とする鉱山業における労資関係を、「伝統的労資関係」と呼んでおきたい。
本書の課題は、徳川期から明治前期のいわゆる在来鉱山業における友子の成立過程と、産業革命によって近代化された明治後期の鉱山業における友
子の確立過程を分析し、成立期と確立期における友子の制度と機能の実態を実証的に明らかにし日本の鉱山業における伝統的労資関係の歴史的構造を解明するこ
とである。
・・・[著者]
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日本の鉱夫−友子制度の歴史−
村串 仁三郎 著
世界書院 1998年10月
246ページ 本体価格\3,500円
友子(ともこ)、よくある女の子の名前と同じだ。ところで読者は、これまでここで使用し
ている友子という言葉を、聞いたことがあるだろうか。鉱山に関係していたことのある人ならば、「うん、知っている。あれは江戸時代の昔からあった。鉱夫の
親分子分の関係からなっていた集団で、共済組合のようなものではなかったか。」と答えてくれるかもしれない。
さて友子とは何かということは、一般には知られていない。日本の歴史や労働史の専門的研究者でさえ、「えっ、何それ」と聞き返す人も少なくな
い。友子とは、言い換えれば、日本の歴史の中で、忘れさられてしまった歴史的存在なのである。
・・・
日本が経済的にも政治的にも、世界の大国となって、日本人の心の持ち方もずいぶん変わってきた。国産品の過小評価の裏返しの、過大評価も気になる。こうし
た状況の中で、私は、江戸時代からあったとつたえられている友子という鉱夫の仲間組織を、本格的に研究してみたくなった。
研究してみると、これが大変おもしろい。驚くべき事実もたくさん発見できた。研究をはじめて、あっというまに十数年がたってしまった。私の友
子研究は、ほぼ終了したので、この辺で、友子という伝統的な鉱夫の集団についての読みやすい本を書いてみたくなった。・・・[本書より]
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上で紹介した書籍について、著者・村串 仁三郎氏のご厚意により割引価格で頒布して頂けることになりました。
「日本の伝統的労資関係」・・・定価\6,800円(本体)のところを\5,000円(税込)で、「日本の鉱夫」・・・定価\3,500円(本体)のとこ
ろを\3,000円(税込)。
いずれも送料込みです。著者まで直接お申し込み下さい。「日本の鉱夫」は書店でも扱っていますが定価となります。
特に、「日本の伝統的労資関係」は絶版となっており、著者の手元に僅少部数が残るのみですので、申し込み時には確認して下さい。
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